【テナジー05比較】ザイア03レビュー|硬い・球離れがすごい・ドライブマンに刺さるラバーだった
テナジー05を長く使ってきた自分が、バタフライの新フラッグシップラバー「ザイア03(英語表記: ZYRE-03)」を買ってみました。自分はバック面にアンチラバーを貼ってシーミラー打法をやっていて(これについてはまた別の記事で書く予定です)、フォア面だけにラバー予算を集中できる。だったら奮発してみようと。
結論から言うと、想像以上に「別物」でした。ドライブの気持ちよさはかなり上がったけど、サーブはまだ慣れていない。良かったところも、引っかかっているところも書いていきます。

こんな方に読んでほしい
- テナジー05を使っていて、次のラバーを探している
- ザイア03が気になっているが、テナジー05との違いが分からない
- 値段が高くて踏み切れていない
- 乗り換えた人のリアルな感想を読んでから決めたい
ザイア03とはどんなラバー?
ザイア03は2025年10月1日にバタフライ(株式会社タマス)が発売した裏ソフトのハイテンションラバーです。テナジー→ディグニクスに続くバタフライの最上位ライン。品番06140、製造は日本。
構造的な特徴は2つ。シートが「リコシート」(開発コードNo.303)——低いツブを高密度で配置したシート設計で、ボールを掴んでから解放するグリップ力を高めています。スポンジは「スプリング スポンジX」——ディグニクス以降のバタフライ上位ラバーが採用してきた高弾性スポンジです。
公式スペックで目を引くのがスピン値100。バタフライが発表している現行スケール(バタフライラバー間の相対評価)の中で最高値です。スポンジ硬度は44°で、テナジー05(36°)より8°硬い。
自分の構成: ラケット=バタフライ インナーフォースレイヤーALC.S(アナトミック)、フォア面にザイア03・2.7mm、バック面にアンチラバー。
ザイア03 vs テナジー05 ——スペックで何が変わるか
バタフライのラバー性能値(スピード・スピン・弧線)は、2023年2月改定の現行スケールで統一されています。テナジー05とザイア03は同一スケール上の数値なので、相対比較として読めます。ただし「バタフライラバー間の相対評価」であり、他社ラバーとの絶対比較には使えません。
| 比較項目 | テナジー05 | ザイア03 |
|---|---|---|
| スポンジ硬度 | 36° | 44°(+8°) |
| スピード | 83 | 88 |
| スピン | 76 | 100 |
| 弧線 | 79 | 96 |
| スポンジ | スプリング スポンジ | スプリング スポンジX |
| 厚さ展開 | 1.7 / 1.9 / 2.1mm | 2.5 / 2.7mmのみ |
| 重さ(目安) | 非公表(実測: 約42〜46g) | 非公表(実測: 約46〜50g) |
| 定価(税込) | 9,460円 | 14,300円 |
スピード・スピン・弧線の値はバタフライ独自の相対評価スケール(2023年2月改定)で、バタフライラバー間の比較に使えます。スプリング スポンジXはテナジー05に搭載された初代スプリング スポンジの改良版で、ディグニクスから採用されています。重さは両製品とも公式非公表のため実測レビュー情報からの目安です。
数値だけ見るとスピン値が76→100と大きく跳ねています。ただしこれは数値の上でのことで、「誰でも簡単に回転が増える」わけではない——スポンジが硬い分、しっかりスイングしないとラバーの性能が出ないからです。この点は打球感のところで詳しく書きます。
テナジー05→ディグニクス05→ザイア03——どこに位置するか
バタフライ上位ラバーを硬度順に並べると、現行主力品だとこうなります。
| ラバー | 硬度 | スピード | スピン | 弧線 |
|---|---|---|---|---|
| テナジー05 | 36° | 83 | 76 | 79 |
| ディグニクス05 | 40° | 86 | 85 | 88 |
| テナジー05ハード | 43° | 82 | 96 | 92 |
| ザイア03 | 44° | 88 | 100 | 96 |
テナジー05からザイア03は硬度が8°上がります。一気に乗り換えると体感の差が大きい。ディグニクス05(40°)やテナジー05ハード(43°)を経由するルートが、段階的な移行としては合理的です。
なお、テナジー05ハードはスピード値が82とやや低め——スピンと弧線に特化した設計でザイア03とは性格が異なります。「硬さへの慣れ」には役立つルートです。
テナジー05との価格差とコスパの話
定価の差は1枚あたり4,840円(税込)、約50%高い。最初に見たときは「高いな」と思いました。
ネット上では「耐久性が高くて月あたりコストが逆転する」という声もあります。ただ自分はまだ使い始めたばかりなので耐久性は未検証。この点は続けて使いながら報告します。
最安値は通販サイトによって変動しますが、11,000〜12,000円前後で見かけることが多いようです(2025〜2026年時点)。
テナジー05から乗り換えて感じた打球感の違い
ここからは実際に使ってみた感想です。個人の感覚ですが、できるだけ具体的に書きます。
とにかく硬い。そして球離れがすごい
貼った瞬間から硬い、というのが第一印象。テナジー05(36°)から44°へ、数字以上に体感の差があります。それ以上に驚いたのが球離れのすさまじさです。ドライブを打つとき、しっかり振り抜かないとあっけなくオーバーします。
練習で3名に打ってもらいましたが、全員ドライブがオーバーして入りませんでした。ザイア03は「まず当て方を覚える」段階のあるラバーです。
「ボールの上に当てる」とオーバーする——なぜか
実際に使って分かったコツは、ラケットのヘッドを立てつつ、ボールの中心〜下半分に当てること。「面で擦る」のではなく「当てつつ振り抜く」。ボールの上側に当たると、ビックリするくらい食い込まずに前に飛んでオーバーします。
これはスポンジ硬度から理解できます。硬いスポンジはボールが食い込む変形量(ドウェル、球持ち時間)が少ない。インパクトが浅いと食い込みがほぼゼロになり、スポンジの変形エネルギーが使われず、ラバー表面の反発だけが前方向に出てしまいます。ザイア03はスピード88という高反発設計なので、その分だけ余計に前に飛ぶ。
逆にボールの下半分を捉えてしっかり振り抜くと、スポンジが変形して反発エネルギーを蓄えながらボールを送り出す。同時にトップスピンが乗り、マグヌス効果(回転する球体が受ける揚力)でボールが前方向だけでなく下向きにも曲がり、弧線を描いてテーブルに収まります。バタフライが「回転による威力を引き出す設計」と説明しているのはこういうことで、下半分を捉えて振り切ってはじめてこのラバーが機能します。
ラケット選びとの関係
ちなみに自分が使っているインナーフォースレイヤーALC.Sは、アリレートカーボンを木材の内側(中芯直近)に配置した設計——いわゆるインナー配置(インナーファイバー®)です。板厚5.5mmで、外側配置のALC(6mm前後)より薄く、しなりでボールを持つ感覚があります。硬いラバー(ザイア03)に対してラケット側がしなやかさで球持ちを補う組み合わせになっていて、オーバーしにくさを多少カバーしてくれていると感じます。外側配置の弾むラケットにそのまま貼ると、さらに制御が難しくなる可能性があります。
回転:ドライブはザイア03優勢、サーブはテナジー05優勢(今のところ)
テナジー05は弱い力でも食い込んで回転がかかります。スポンジが柔らかいぶん薄い接触でも少し変形して回転を乗せてくれる。
ザイア03でドライブをしっかり当てると、回転量はテナジー05を上回る実感があります。ただしサーブはテナジー05のほうがかかりました(自分の場合)。
サーブは低速・短い接触でボールを薄く擦る動作です。硬いスポンジは薄い接触ではほぼ変形しないため、シートのグリップだけが回転源になる。テナジー05は36°でスポンジが柔らかいぶん、薄い接触でも少し変形して回転を補助してくれます——ここがサーブの差になっていると思います。自分のスキル不足も大きいですが、ラバーの特性の違いとしても出やすい部分です。
慣れるまでの時間
ドライブについては1時間練習すれば全然慣れました。コツをつかめば、それ以降はテナジー05以上の回転量とスピードが出ます。今まで10の力で打っていたドライブを8割の力で同じかそれ以上跳ねる感覚。面をかなり寝かせてスマッシュ気味のスイングでドライブしても入るくらいです。
サーブはまだ完全には慣れていません。引き続き練習しながら報告します。
総評:どんな人に向いているか
今のところ良いです。ドライブの感触はかなり気に入っています。ただ台上・サーブはまだ慣れていないので、あくまで「序盤の印象」です。
- 中級者以上で、しっかりドライブを打つドライブマン
- テナジー05に慣れてきて次のステップを探している
- 「当てつつ振り抜く」打ち方が身についている、またはそこに移行したい
- フォアだけでなくバック面で使うのもアリ(バック主体の選手にも)
- テナジー05を使い始めたばかり・まだ慣れていない
- 台上やサーブの精度を最優先したい
- 守備型・カット主体のスタイル
- 面で擦る打ち方が主体で、今すぐ打ち方を変えたくない
テナジー05からいきなり乗り換えると硬さの差(36°→44°)がかなり大きいです。ディグニクス05(40°)やテナジー05ハード(43°)を経由して硬さに段階的に慣れてから、というルートも合理的だと思います。いきなり乗り換えたい場合は2.5mmから試すのも一つの手。
自分はしばらく使い続けてドライブ以外の感触も確かめていく予定です。サーブの慣れ具合、耐久性の変化など、経過はこのブログで継続してレポートしていきます。
よくある質問
テナジー05からいきなり乗り換えられる?
できないことはないですが、硬度が36°→44°と大きく上がるので最初は別物に感じます。ドライブの当て方(ボールの下半分を捉えてしっかり振り抜く)を意識的に切り替える必要があります。自分は1時間練習でドライブは慣れましたが、サーブはまだかかりにくさが残っています。試合期ではなく練習期に移行するのが無難です。
テナジー05ハードやディグニクス05との違いは?
硬度はテナジー05ハード43°、ディグニクス05が40°、ザイア03が44°です。スピン値はザイア03が100で最高、テナジー05ハード96、ディグニクス05が85。ディグニクス05はスプリング スポンジXを使いつつ硬度が低めで、ザイア03より入門しやすい上位ラバーという位置づけ。テナジー05ハードは硬さ慣れには役立ちますがスピード値が82とやや低めで性格が異なります。
サーブで回転がかかりにくいのはなぜ?
硬いスポンジは低速・薄い接触(サーブの薄擦り)ではほぼ変形しないため、シートのグリップだけが回転源になります。テナジー05(36°)はスポンジが柔らかいぶん薄い接触でも少し変形して回転を補助してくれる。この差がサーブの扱いやすさに出やすいです。慣れと技術向上で縮まる部分でもあります。
合うラケットは?
自分はインナーフォースレイヤーALC.S(インナーALC・板厚5.5mm)を使っています。ラケットのしなりで球持ちを補ってくれるため、硬いザイア03との相性はいい感じです。外側配置のALCや板厚が厚い弾むラケットに貼るとさらに球離れが速くなるので、扱いがより難しくなる可能性があります。
コスパはどうか?
定価はテナジー05(9,460円)に対しザイア03(14,300円)と約50%高め。ネット上では耐久性が高くて月あたりコストが逆転するという声もありますが、自分はまだ使い始めたばかりで未検証です。経過はこのブログでレポートします。
筆者について
京都で卓球サークル「ROOT」を運営しています。学生時代に卓球をしていて、ブランクを経て再び始めた人たちが集まるゆるいサークルです。毎週土曜に活動中。
用具の話から練習の話まで、等身大でゆるく書いていきます。

